定期 デザイン科にいた事のあるオタクがローソン商品のデザインレビューしてみた!編
みなさんどうもおはこんおばんでございます。あこまでございます。
1年の半分に差し掛かりそうなここ最近、みなさんはどうお過ごしでしょうか。私は買ったフィギュアの右腕がなかったり毎夜蚊の襲撃に合ったりと地味に不幸で元気です。蚊取り線香を出しました、夏ももうすぐですね。既にくっそ暑いですが。暑くなり初めのこの時期、みなさんも熱中症にはご注意くださいねー。
そんなこんなで今日のブログ、スタートです!
今回のブログはデザインを学ばさせていただいたことのある私が、色々話題とされてるローソンの商品デザインについて色々書かせていただきます。
デザインを学んでいるといってもまだまだ未熟な私であります。間違っている点や異論などがありましたらコメント等でお教えいただけると幸いです。
毎度毎度の注意書きでございますが。
このブログに書いてあることはあくまで私の主観です。
また、私は今回の記事を書くにあたって、ローソン様及び今回取り扱った商品のデザイナー様に対し悪意や貶める意図など一切持っていない事をここに宣言します。
じゃあなんで書くかっていうと、まず色々と関連記事を読んでみたものの私が言いたいことを書いてある記事がみつけられなかったっということと、ただ単純に面白いケースだなぁと思ったからです。
目次
つーことで何個かローソンの商品買いました。敬意とお金はちゃんと払わんとね。
第1陣がこちら。バイト帰りに買ったから商品傾向がものすごい偏ってる。
別のデザイン参考としてキャラメルマキアートとバスチー。余談だけど、実はこういうカップでキャラメルマキアートを売ってるとこ段々減ってきているのでローソンさんにはマジで感謝している。キャラメルマキアートジャンキーにとってローソンさんは都会のオアスシ。セブンさんはせめてカフェモカを復活させて(泣)
第2陣に買い足したのはこちら。
ちなみに買ったもんは全部食べ切りました。たこわさとか結構ツーンときて美味しかったです。塩辛も買えばよかった。
最初に観察してみる
まず、実際に見てみて。全体的に見ると非常にまとまったデザインで統一感があります。手に取って見るなら必要最低限の情報をキュッとまとめているので見やすいですし、端のイラストなど遊び心を感じられます。てか商品の画像は写真じゃなくてイラスト(もしくはイラスト調に加工した写真)なんですね。これは買わなきゃわかんなかった。これは恐らく、実写だとこのデザインに対して変に浮いてしまうことに対する対策ですかね。イラスト調にすることによって素朴な雰囲気に統一されていて悪くは無いと思います。
ここまで読んだ方は「あら? 意外と好印象なんですね」とか「そうじゃないだろ」とか「逆張りクソオタ乙」(これは私が常々自分に思っていることですが)とお思いになるかと思います。
いや、実際見た目はいいと思うんすよ。ちょっとしたかわいらしさや素朴さ、今流行りのナチュラルさを取り入れた、いかにも今風なパッケージですし。製品の原材料のイラストでフレームを作るのとかいいアイディアで私は好きです。
見た目で語るなら、私はこれ好きです。
そう、
見た目で語るなら。
観察しての総評
デザインを実際に見てみて、最終的な私の総評です。
見た目のデザインはいいかもしれないけど、コンビニ商品のデザインとして見るとコレジャナイ感が強い。はっきり言って「微妙」だと思いました。
何故そう思ったのか、ここから順に説明しようと思います。
なぜ「微妙」と感じたのか
商品を見る前に
今回の商品デザインはベージュをベースに細かくイラストなどを配置した、ナチュラルでどこか繊細なデザインと言えます。これは総菜などのデザインでは見ないので、大衆にはなかなか受け入れがたいものだと思いました。実際私もちょっと驚きましたし。しかしそれは意図をもって改革する最初の一歩として必ず踏むステージであり、数年後には一般化するかもしれないので見守っていきたい気もするんですよね。
ですが今回のデザインを見ていくと、その初めましての違和感とはまた別の違和感を覚えるところが多々あります。それがこのデザインの欠点でありここまで話題になってしまった要因、そして私が「微妙」だと感じた理由だと考えました。
ここからはいくつかの商品を見ながら、そのデザインを批判していきたいと思います。
全体を見る
初めに、全体をざっと見ての考察です。
まず文字がわかりずらいと思いました。考えられる原因としては、
- 背景色と文字色が同系色
- 字体が細い
- そもそも字が小さい
が考えられます。この傾向を見ると、文字を目立たせようとではなく、あくまでデザインの一部としてなじませようとしたのかなと思いました。
そして、商品イラストがこれまた小さいと思いました。中心にちょこんとおいてあり、参考画像というよりは装飾の意味が強くなっている印象です。じっと見るならまだしも、流し見するとなるとこのイラストは商品選択の材料として機能しづらいと思いました。
あとは背景が薄いベージュでチープな印象を受けやすいです。良くも悪くもさらっと見れてしまうんですよね。食品関係は暖色を使ったり補色の作用を狙ったりと、がっつりした色選びで食欲・購買意欲をあおるものが多いので、そこは他製品と比べると見劣りしてしまいます。
たこわさびを見る
次にたこわさびのパッケージデザインを見ていきましょう。
個人的には悪くはないと思っています。
たこわさびということが見たらわかりますし、そこまで視認性は悪くない。
悪いところを上げるとするならば、商品名と製品イラストの主張が弱いですかね。左横のイラストをもう少し小さくして商品名と製品イラストを大きくしたほうがいいと思います。
これは写真を見た友人から出た意見なのですが、賞味期限などのシールを張るのならされを考慮してデザインすべきでは?……とのことです。たしかに。シールを張ることによってテキストの一部が隠れてしまっています。パッケージの限られた面積にわざわざ載せるのだから見なくてもいい情報というわけではないでしょうし、それが隠れてしまうのは残念だと私も思いました。
余談 このシール外すの忘れちゃってて下の文は私も把握していません。いったい何さが絶妙なんだ……?
たこわさは類似商品が塩辛・キムチぐらいなので、余計な差し色入れるよりかは製品の主張を強くしたほうがいいかと思いました。
牛乳を見る
次に牛乳を見ていきましょう。
牛乳は他の考察している方々や批判をしている方々からの言及が特に多く感じました。ローソンはいかないんだけどこれだけは知ってる、なんて方もいるんではないでしょうか。
いいなと思った点なのですが、牛乳パックの上部を種類によって色分けるのはいい案だと思いました。だいたいどこも牛乳はショーケースの一番下の段に少々せり出して置かれているため、ユーザーは立った状態だと上もしくは上斜めから見下ろして選びます。そのため上から見て判別しやすくする、というのはとてもいい案だと思うのです。
しかしながら、ここにもツッコミどころというものが存在します。
まず一つ目に、商品名など文字という文字すべてが見ずらいという点です。
まず上部のWHOLE MILK/成分無調整牛乳の文字。やや白めの水色の背景に細い字体を小さく中央に設置してあります。例えばの話ですが、商品ディスプレイの強めのライティングを当ててみた時、反射などでモノが実際よりちょっと明るく見えたり、白地が発行したように見えたりしますよね? このデザインだとその影響で文字と背景の境界があいまいになり識別しにくくなると思います。(実際、私の眼はやや光に弱くそういった識別能力が劣っているので、このデザインでは識別しにくいなと感じました)
あとこれは単純な疑問なのですが、なぜ英語を日本語の上に配置したのでしょうか。いくら国際化が進んでるとはいえ大半の客層は日本人のはずです。日本語と英語を同時表記したとき、英語を目立たせる意図が私にはつかめませんでした。
こういう意図なんじゃない?という意見がありましたらコメント等でお教えいただけると嬉しいです。勉強になります。
そして正面の成分無調整牛乳などの文字。スペース当たりの情報量が多いと感じました。ほかの牛乳パッケージと比較してみたところ、イラストと多国語にスペースを咲いているようです。イラストと多国語、併用してスペースの奪い合いをするのならばどちらか一方に絞ったほうがわかりやすくまとめられるのではと考えました。でもこれは小さい方の牛乳だから仕方がないかと思いましたが、よくみたら大きい方の牛乳も同じようなスペースにこの文字を詰め込んでいます。ぎゅうぎゅうだ、牛だけに。
二つ目に、カラーリングの意味があまり感じられないという点です。先ほど私は上部の色分けをよい点として紹介しました。しかしそれはあくまで上部の話に過ぎず、全体をみるとその良い点も「微妙」までに評価が下がってしまうのです。
問題点は一つ。「上部しか色を使用していない」これだけです。
具体的な例で説明します。ショーケースの商品を購入するとき、よっぽどの理由がない限りは商品は前から順にとられていきます。すると、ある程度売れると商品が後退した状態になり、上部がショーケースの上の段に隠れてしまいます。
ちょっと説明に自信がないので図にしてみました。
せっかく無調整牛乳は青!低脂肪牛乳はピンク!と色分けしても、それが見えなければ意味がありません。この問題を解決するならば、下に同じ色の枠線を設置するなど、隠れないところにも色を置くなどすればいいのではないのでしょうか。
納豆と豆腐を見る
納豆と豆腐も牛乳と並んで言及が多い印象を受けました。
……うーん。これは言葉にしなくても通じる方が多いのではないでしょうか。
そう、めっっっっっっちゃ似てるんです。文字の位置やイラストの有無は違えど、大まかな構成が類似しています。
横から見るとこんな感じ。さすがに重さは全く違うのですが、大きさから見た目まではそっくりです。さすがにこれは言い逃れのしようがない、今回のデザインにおける欠点だといえるでしょう。
よく見ると豆腐の方が若干色が薄く、色分けはされている様子。「SOFT BEANS NATTO」と「SOFE TOFU」のSOFTつながりで色を近くしたのでしょうか。それにしても差があまり見受けられず、場所も同じためパッと見ての判別は難しいですね。
また、一番強調されている文字が「NATTO」「TOFU」なのが気になりました。日本語でわざわざやわらかや絹と書かれているとおり、これらの商品にはひきわりや木綿などのバリエーションが存在しています。バリエーションが多数存在しているのに商品の総称だけを一番目立たせ(しかも一般的ではない表記で)表示する意味はあったのでしょうか。
肉製品を見る
次は肉製品、そのなかでもおつまみとしての要素が強いものを見てみます。
左は新デザインが適応されたもの、右は適応されていないものになっています。
同じ種類じゃなくてごめんなさい >人<
こう見ると変更点がはっきり見て取れますね。旧デザインは商品名が大きく強調されており、ロゴ以外はイラストなどの使用はしていません。実にわかりやすいデザインだと思います。また、色味は新デザインとは違い寒色が強いので、食欲をそそるかでいえば新デザインの方が強いのかなとも考えました。
それと、改めて両者のデザインを見比べて気づいたことがあります。
それは値段及びグラム数、カロリーの表記です。旧デザインでは下部に記載されていたこれらが、新デザインではすっぱりカットされています。これに関しては製品が違うので、元のミミガーのデザインにも値段の表記がない可能性もあります。しかし、つぎの賞品を見ていく限り、あったんじゃないかなと私は思っています。
厚切りメンマを見る
面白いことに、メンマは旧デザインと新デザインをそろえることに成功しました。
こう見てみると、さらに違いが浮き上がってきますね。
がっつりと商品のイメージ写真を使用した旧デザインは、全体的に落ち着いたシックな色合いでまとめられていることから、「大人っぽい」「お酒のおつまみ」のイメージが強く感じられます。一方新デザインは素朴な色合いにかわいらしいイラストを散らしていることから、「シンプル」で「万人向け」な印象を受けます。
これに関しては狙った客層の違いから来る差であり、好みも分かれると思います。
気になった点としては、新デザインの商品名が上寄りにあり、破く際ののきっかけと同一線上に存在しているところです。袋を破いた際、商品名が切り取られるのは不親切な設計かな~と思いました。
こういう総菜は袋から出したほうが衛生的には良いので、できるだけ出すようにしましょう。あこまさんとの約束だ!
カップみそ汁を見る
全体的に不評な印象の強い本デザインですが、そのなかでもわたしが気に入ったデザインがこちらです。
商品名も大きく、商品イラストも大きく載せてあります。商品がじゅうぶん目立っているため、上のイラストも装飾として気にならない程度に商品を引き立ててくれています。
こんな商品もあることを、皆さんには知っていただきたいのです。
商品を見てきての考察
ここからは私の考察になります。
違和感の正体
ずいぶん前に書きました「違和感」の正体ですが、私はこれを「コンビニ利用者が考えるコンビニのありかたと、コンビニ経営者陣が考えた流行るコンビニのありかた」のずれだと考えました。
それがこのデザインに反映され、ずれが形となり今回の話題になったのです。
デザイン性の違い
そもそもそのずれとは何なのか。
前提として、この話には一言にデザインといっても2種の意味があります。
まずひとつに「見た目」のデザイン。これは一般的によく言われる馴染み深いデザインですね。お洋服のデザインだったり、見た目の華やかさや表現などのことを中心に指すイメージです。
ふたつ目に「機能的」なデザイン。こちらは情報がわかりやすいか、などの見た目よりは実用的かを主眼に置いたものですね。
今回のローソン商品デザインはひとつ目のデザイン性が強く、ふたつ目のデザイン性は正直低いと私は判断しました。
恐らくですが、今回のローソン商品デザインをイマイチだと思う人は私のような考えで、良いと思う人はふたつ目よりひとつ目を中心的に考えているのだと思います。
これらが認識のずれのもと、賛否の分かれ道です。認識は同じだと思うんですよ。問題はどこに主軸を置いたかです。
実際、インスタグラムなどの層には、このデザインに好印象を持っているそうです。それはこのデザインがその層に受け入れられている証拠であり、コンビニがその層向けにデザインをしたという証拠なのです。
コンビニに求められるデザイン
それならば、狙った層に刺さったのでこのデザインは成功だといえるのでしょうか。
私はいえないと思っています。
それはなぜかといいますと、使用者がこうあるべきと思ったものも今のコンビニ像であり、捨ててはならないものだと思うからです。
コンビニの強みは、困ったときなどにすぐ行けることです。私も帰宅が零時近くなったときは夕飯求めて入りましたし、そういった求めているものが誰でもすぐ手に入るのがコンビニであると思っています。そういった用途がある中で、わざわざ視認性を低くした商品を売った場合どうなるでしょうか。急いでいたりする人や視力の低い人は、間違って求めていない商品を購入してしまうかもしれません。また、視認性が低いとその商品を確認するのに時間を割くことになり、それを不快とする人も出てきます。
そういった層をターゲットではないから捨てるというのは、コンビニの今の在り方として間違っていると思うのです。
最後に
路線変更やターゲット層の拡大でデザインを大きく変えるというのはある話ですし、それがやがて受け入れられることもあります。しかし今回のデザインはコンビニの使用者が使いづらくなる改悪の要素を含んでいることもまた確かなことなのです。
かといって全体的な改悪かといわれれば違いますし、よい点よくなった点も存在します。それをしっかり区別して批判していけたらいいですし、それを認めてもらって悪い点を改善していくのが一番いいやり方なんじゃないかと、私はそう思いました。
ということで今回はこんなところで終了です。次回はまだなーんにも考えていません。
ではまた次回です!さいなら~